中医学:五行の関係

最近小児科内科の門前でお仕事させていただいているんですが、とても面白いな、と思うことがありました。

 

陰陽論や五行学説は季節にも応用されます。今は夏至直前。季節の中で1番陽の力が強い時期なんですね。

 

この時期に急に増えたが、小児の原因不明の発熱。発熱以外の症状はあまりなく高熱の子も少なくないのですが、わりと見た感じ元気な子が多いですが…お母さんたちも首をかしげるばかり。

 

子供は体温調整機能も成熟していないので、発熱しやすい、というのはありますよね。

 

子供というのは私たち大人より圧倒的に陽の力をカラダに秘めて生きています。砂糖ってカラダを冷やす陰の食材なんですが、大抵のお子さん大好きですよね。言われるわけではなく、砂糖のような冷やす食材で自分の中の陰とバランスを取っているわけです。そして、今最も自然の陽が高まっている時期ですから、陽の力が抑えきれなくなって発熱、という形になっているのではないかな、と。

 

正直、都会の薬局では気がつかなかったな。田舎の方が自然の中で育つから、より自然の力を受けるのでしょうか。

 

こういう発熱は熱をとるような解表ではなく、陰を補ってバランスをとるようなアプローチがいいのではないかと思います。

 

本題へ。今日は昨日の五行学説をもう少し深めて、五行の関係についてお話しして行きたいと思います。人間関係みたいで面白いですよ。

 

五行とは昨日お話しした世界を構成する5つの要素“木火土金水”のことです。

 

この5つの要素は陰陽の関係の発展版。お互いが依存し、また抑える関係になっています。

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こんな感じです。どの一本が抜けても、また大きすぎたり小さすぎたりしても成り立ちません。

 

五行学説は木火土金水の5つの要素が影響しあってバランスをとることで世界がうまく回っていると考えます。

 

この5つの要素の関係の基本は「互いを育てる関係」と「互いを抑える関係」です。

 

「互いを育てる関係」を「相生」と言います。字のごとくお互いを生む、生かす関係です。それぞれに自分が生む存在と自分を生む存在を持っています。お互いを向いている矢印⇆ではなく、一方方向片思いの→です。こんな感じ。

木→火→土→水→金→木…

育てる、というのはイメージ的にはこのようになります。

  • 「木生火」→木が燃えることで火が起きる
  • 「火生土」→火は木を燃やし、灰が土となる
  • 「土生金」→鉱石は土に埋もれている
  • 「木生水」→地層や岩石が地下水を生む
  • 「水生木」→水は木を成長させる

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これがお互いを生み、育てる「相生」の関係です。これを中医学のカラダの仕組みに当てはめると、自律神経をコントロールする木である「肝」の緊張が火の「心」に伝わってドキドキしたり、肺(金)の病気、例えばアトピーなどを脾(土)の胃腸機能を高めることで治療する、などです。

 

自分が生み出すものを「母」と呼び、自分が生み出すものを「子」と言います。例えば水にとって母は金であり、子は木です。

 

また、お互いを抑え合う関係もあります。これは「相克」と呼びます。相克関係とは自分を制御する存在と、自分が制御される存在をもつ関係です。

  • 木克土→木が土砂崩れを防ぐ
  • 土克水→土は水をせき止める
  • 水克火→水は火を消す
  • 火克金→火は金属を溶かす
  • 金克木→金属は木を切り倒す

ちょっと無理があるますが…こんなイメージです。

 

これをカラダの働きに例えると、心(火)がオーバーヒートしないように腎(水)が行き過ぎを抑えたり、上部に向かいがちな肝(木)の気を肺(金)が下降へと導いてくれます。

 

お互いを育てながらまた、行き過ぎないようにお互いを制御する、まさに家族、親子のようですね。陰陽論ではあなたと私、つまり一対一のパートナーとの関係だったのが五行では5人家族、育てる相手(子)と育てられる相手(親)、自分を鍛える相手(兄?)と自分が鍛える相手(弟?)のような、登場人物の多い広がりのある関係となります。

 

そして登場人物がみんなお互いを尊重してチームを作る。これがこれが健全な状態の五行の関係です。

 

少しボリュームが出ますが、続けて病的な関係までお話しします。

 

この5つのチームメートの誰かが強くなりすぎて他のいうことを聞かない、もしくは弱くなりすぎて自分の役目をこなせなくなるという時があります。この育てる、抑えるのバランスが崩れた時、病的な状態が発生します。

 

まず最初に「相乗」と呼ばれる関係。相手に乗っかる、と書くこの関係は抑制をする存在が一方的に強すぎて抑制される側を弱めてしまう関係です。

 

矢印の方向は「相克」と同じです。例えば「木克土」ですが相乗関係では「木乗土」。木が強くなりすぎて土を痛める状態です。ストレスでイライラしすぎて食欲がなくなってしまう、胃痛や胃潰瘍を起こしてしまうようなケースがこれにあたります。

 

これとよく似ているのですが「相侮」という関係もあります。これは抑制する存在が弱すぎてもしくは抑制される側が強すぎて抑制のコントロールできない状態のことです。「反侮」とも言います。

 

相侮は相克関係の矢印が逆になります。「金克木」が「木反侮金」へ。肺が肝を抑えるのがもともとの役割ですが、肝が強すぎて制御が効かなずに肺を痛める、例えばストレスで喘息やアトピーの症状がひどくなる、というのがこの状態です。

 

(肝は基本強気なヤツなのでいじめることはあってもいじめられることはないですね)

 

この相克、相乗、相侮はちょっと言葉は覚えにくいですね。抑える側、抑えられる側を教師と生徒でイメージしてみます。相乗は「先生が生徒を可愛がり、生徒も先生を尊敬するいい関係」です。相乗は「先生の側がパワーハラスメントで生徒を抑え込む」、相侮は「先生が頼りないので生徒が調子に乗って教室が荒れる」状態です。

 

言葉の定義はあまり大切ではないですが、五行の関係は病を紐解くには大切です。イメージつきました?概念としてはしっかり抑えて置きたいところです。

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