栄養学:コレステロール3部作 役割編

悪者とされがちなコレステロールですが、最近だいぶ風向きが変わってきたかと思います。今日はコレステロールについてノートをまとめていこうと思います。

f:id:byakugodo:20190709235323j:image

 

以前は高脂血症と言われましたが、今は脂質異常症、と呼ばれています。血中の脂質が多いことにより、動脈硬化、特に冠疾患の危険因子が高い病態のことを指します。

 

高脂血症脂質異常症と呼び方は変わりましたね、ポイントは以前は悪玉と呼ばれるLDLコレステロール中性脂肪の高さを問題視していたのが、最近では善玉のHDLコレステロールの低さが重要視されてきたためかと思います。“高”脂血症という呼び名が適切ではなくなったからですね。

 

脂質異常症の診断基準はこちらです。

 

以前は脂質代謝異常症の人への栄養指導は脂質、特にコレステロールを多く含む食品を制限するように伝えていました。例えば、卵、ししゃも、レバーや魚卵です。動物性食品の脂を多く含む部分にコレステロールは多く含まれます。

 

ところが最近では血中のコレステロールは外因性より内因性のものが多いと知られてきていますね。つまり、食事由来より、自分自身の肝臓から作り出すものの方が影響が多いのです。そのため、食品に含まれるコレステロールはあまりうるさくいわれなくなってきました…卵は1日に何個食べてもOKです。

 

コレステロールといえば悪者のイメージが強いですよね。そもそもなぜ肝臓はコレステロールを作っているのでしょうか?

 

大切なこととして、基本私たちの体は私たち自身に害があるものは作り出しません。これはコレステロールも例外ではありません(回を分けますが尿酸についてもおはなしします!)。

 

コレステロールは実は生体のエネルギーに加え、多くの内分泌ホルモンのを材料となります。これは他の物質では代わりになりません。コレステロールを材料にして合成されるホルモンは以下の通り。

 

コレステロールは体内のいたるところに存在して内分泌を調整しています。代表はステロイドホルモン。ステロイドホルモンは抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール、ミネラルをコントロールするアルドステロン、男性ホルモンのアンドロゲンや女性ホルモンのエストロゲンになります。

 

体内至る所で必要としているからこそ、血中内にコレステロールが必要なのです。

 

不妊治療の分野でコレステロールは大変注目を浴びています。コレステロールは女性ホルモンの材料ですよね。実際コレステロールが低い女性は不妊になりやすいというデータがあります。生殖産業ではコレステロールは高値より低値の方が問題となるのです。

 

また、コエンザイムQ10も聞いたことはあるのではないでしょうか。老化を防ぐ抗酸化物質です。意識高そうなサプリに入っている印象ですが、本来ならこれも自分で代謝して作り出せるものです。

 

単純にコレステロールが高いからと言って、これを下げてしまうと…どうなるか。これら全ての内分泌ホルモンの供給が途絶えてしまいます。

 

実際コレステロールは少し高めの方が余命が長いというデータがあります。

 

なぜここまでコレステロールは悪者となったのでしょうか?それはコレステロール動脈硬化の原因としての主犯格である疑いがかかったからです。

 

血管の動脈硬化に関してコレステロールは無関係ではありません。ただ、コレステロールが悪さをするには、コレステロールだけの責任ではないのです。1人では悪さはしないけれど、仲間がいると素行が悪くなる中学生のように、コレステロールが悪者になる過程にはまた他の条件が必要となるのです。そしてその条件、真犯人の取り締まりの方がコレステロールよりよっぽど重要です。これは次回に続けます。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です