中医学:五行の関係

最近小児科内科の門前でお仕事させていただいているんですが、とても面白いな、と思うことがありました。

 

陰陽論や五行学説は季節にも応用されます。今は夏至直前。季節の中で1番陽の力が強い時期なんですね。

 

この時期に急に増えたが、小児の原因不明の発熱。発熱以外の症状はあまりなく高熱の子も少なくないのですが、わりと見た感じ元気な子が多いですが…お母さんたちも首をかしげるばかり。

 

子供は体温調整機能も成熟していないので、発熱しやすい、というのはありますよね。

 

子供というのは私たち大人より圧倒的に陽の力をカラダに秘めて生きています。砂糖ってカラダを冷やす陰の食材なんですが、大抵のお子さん大好きですよね。言われるわけではなく、砂糖のような冷やす食材で自分の中の陰とバランスを取っているわけです。そして、今最も自然の陽が高まっている時期ですから、陽の力が抑えきれなくなって発熱、という形になっているのではないかな、と。

 

正直、都会の薬局では気がつかなかったな。田舎の方が自然の中で育つから、より自然の力を受けるのでしょうか。

 

こういう発熱は熱をとるような解表ではなく、陰を補ってバランスをとるようなアプローチがいいのではないかと思います。

 

本題へ。今日は昨日の五行学説をもう少し深めて、五行の関係についてお話しして行きたいと思います。人間関係みたいで面白いですよ。

 

五行とは昨日お話しした世界を構成する5つの要素“木火土金水”のことです。

 

この5つの要素は陰陽の関係の発展版。お互いが依存し、また抑える関係になっています。

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こんな感じです。どの一本が抜けても、また大きすぎたり小さすぎたりしても成り立ちません。

 

五行学説は木火土金水の5つの要素が影響しあってバランスをとることで世界がうまく回っていると考えます。

 

この5つの要素の関係の基本は「互いを育てる関係」と「互いを抑える関係」です。

 

「互いを育てる関係」を「相生」と言います。字のごとくお互いを生む、生かす関係です。それぞれに自分が生む存在と自分を生む存在を持っています。お互いを向いている矢印⇆ではなく、一方方向片思いの→です。こんな感じ。

木→火→土→水→金→木…

育てる、というのはイメージ的にはこのようになります。

  • 「木生火」→木が燃えることで火が起きる
  • 「火生土」→火は木を燃やし、灰が土となる
  • 「土生金」→鉱石は土に埋もれている
  • 「木生水」→地層や岩石が地下水を生む
  • 「水生木」→水は木を成長させる

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これがお互いを生み、育てる「相生」の関係です。これを中医学のカラダの仕組みに当てはめると、自律神経をコントロールする木である「肝」の緊張が火の「心」に伝わってドキドキしたり、肺(金)の病気、例えばアトピーなどを脾(土)の胃腸機能を高めることで治療する、などです。

 

自分が生み出すものを「母」と呼び、自分が生み出すものを「子」と言います。例えば水にとって母は金であり、子は木です。

 

また、お互いを抑え合う関係もあります。これは「相克」と呼びます。相克関係とは自分を制御する存在と、自分が制御される存在をもつ関係です。

  • 木克土→木が土砂崩れを防ぐ
  • 土克水→土は水をせき止める
  • 水克火→水は火を消す
  • 火克金→火は金属を溶かす
  • 金克木→金属は木を切り倒す

ちょっと無理があるますが…こんなイメージです。

 

これをカラダの働きに例えると、心(火)がオーバーヒートしないように腎(水)が行き過ぎを抑えたり、上部に向かいがちな肝(木)の気を肺(金)が下降へと導いてくれます。

 

お互いを育てながらまた、行き過ぎないようにお互いを制御する、まさに家族、親子のようですね。陰陽論ではあなたと私、つまり一対一のパートナーとの関係だったのが五行では5人家族、育てる相手(子)と育てられる相手(親)、自分を鍛える相手(兄?)と自分が鍛える相手(弟?)のような、登場人物の多い広がりのある関係となります。

 

そして登場人物がみんなお互いを尊重してチームを作る。これがこれが健全な状態の五行の関係です。

 

少しボリュームが出ますが、続けて病的な関係までお話しします。

 

この5つのチームメートの誰かが強くなりすぎて他のいうことを聞かない、もしくは弱くなりすぎて自分の役目をこなせなくなるという時があります。この育てる、抑えるのバランスが崩れた時、病的な状態が発生します。

 

まず最初に「相乗」と呼ばれる関係。相手に乗っかる、と書くこの関係は抑制をする存在が一方的に強すぎて抑制される側を弱めてしまう関係です。

 

矢印の方向は「相克」と同じです。例えば「木克土」ですが相乗関係では「木乗土」。木が強くなりすぎて土を痛める状態です。ストレスでイライラしすぎて食欲がなくなってしまう、胃痛や胃潰瘍を起こしてしまうようなケースがこれにあたります。

 

これとよく似ているのですが「相侮」という関係もあります。これは抑制する存在が弱すぎてもしくは抑制される側が強すぎて抑制のコントロールできない状態のことです。「反侮」とも言います。

 

相侮は相克関係の矢印が逆になります。「金克木」が「木反侮金」へ。肺が肝を抑えるのがもともとの役割ですが、肝が強すぎて制御が効かなずに肺を痛める、例えばストレスで喘息やアトピーの症状がひどくなる、というのがこの状態です。

 

(肝は基本強気なヤツなのでいじめることはあってもいじめられることはないですね)

 

この相克、相乗、相侮はちょっと言葉は覚えにくいですね。抑える側、抑えられる側を教師と生徒でイメージしてみます。相乗は「先生が生徒を可愛がり、生徒も先生を尊敬するいい関係」です。相乗は「先生の側がパワーハラスメントで生徒を抑え込む」、相侮は「先生が頼りないので生徒が調子に乗って教室が荒れる」状態です。

 

言葉の定義はあまり大切ではないですが、五行の関係は病を紐解くには大切です。イメージつきました?概念としてはしっかり抑えて置きたいところです。

中医学;五行学説

五行学説は中医学の概念の中でも華型かもしれません。ここを理解するために中医学における整体感は大切なので、ぜひ前回の投稿もご覧頂けたらと思います。

 

中医学では世界は5つの要素からできている、と考えます。その5つの要素とは“木火土金水”です。

 

この5つの要素“木火土金水”はあくまでシンボルであり、イメージです。あまり細部にこだわりすぎず、それぞれの要素の気のあり方を意識してみてください。

 

ぐたいてきにそれぞれのイメージを説明しますね。

 

まず、木(もく)。植物の代表であり、グングンまっすぐ上に伸びていくイメージです。キーワードは成長や発散。季節に例えれば春、気候でいえば風。そして私たちの体内では「肝」が木に属します。ここでいう肝は西洋医学でいう解毒の肝臓と異なり、腎や脾の力を上に持ち上げるまさに発散の臓器です。樹木が大地の気を天に届けるように、肝は私たちのカラダ隅々までエネルギーを届けてくれます。

 

次に、火。火は自然界における太陽のイメージ、“日”とも言えます。火は温熱、光明、飛躍がキーワードです。季節に例えれば夏、気候でいえば熱。臓器でいえば「心」。太陽が地面を温めてタネが芽吹くように、物事がスタートをするきっかけ、原動力を作るものです。心は生命活動の司令塔で様々な調整役を担います。

 

次は土です。土は種子をまいて収穫をもたらす土壌。成長と変化、そして全てを受け容れる受容です。季節は長夏(梅雨)、気候では湿です。そして臓器は「脾」。この脾とは消化器官のこと。土が雨や雪、動植物の死骸も全て受けれいれ、新しい養分を作り出すように、脾は体内に入った食物を消化しエネルギーに変える機能を持ちます。生命を維持するためのエネルギーを外部から供給する役目をするのが脾です。

 

そして金。金は鉱物であり、変革の象徴です。清潔・粛降・収斂がキーワードです。金・鉱物は地中で長い時間をかけて大きな変化を遂げたものです。金の季節は秋、気候は燥。臓器は「肺」。少し金のイメージと異なりますが、肺は地球でいえば宇宙と地球を隔てる大気圏であり、人の体でいえば皮膚のような“自分と他を分ける外殻”です。心や木の力で持ち上がったエネルギーは天井のように肺とぶつかり、外界と生体を分けます。生理機能では呼吸や免疫、皮膚が肺の領域です。

 

最後に水。五行の中で、慈潤、下降、寒涼のイメージです。水は全てを潤し、下へながれます。水の季節は冬、気候は寒。臓器では「腎」を表します。水のイメージをそのまま、体内の水分調整の要となる腎臓ですが、中医学の腎はさらに生命力の源になるタネのような位置付けです。脾が大地であれば腎は大海。全ての命の始まりを生み出す生命活動の根源です。それゆえに生殖機能なども腎の支配を受けます。

 

このように世界を構成する様々なものを5つに分けて分析するのが五行学説です。

 

ここまでの説明で、正直五行学説、多少こじつけた感があると思いませんでしたか?

 

五行学説の優れた点は、対になる、もしくは相反する性質をもつ2つのものの関係から読み解く陰陽論と比較し、より複雑な関係を理解する道具になることです。例えばAから影響をうけたBがさらにCとどんな関係になるか、など、五行学説は登場人物が多い分より細分化した、間接的な影響を描くことができます。

 

陰陽論にしても五行学説にしても全てを測ることができる万能のモノサシではありません。例えば長さはメートルという単位を使いますし、重さにはキログラムなどの単位を使います。重さに対してメートルは使えないように、何かを測定するときはそれぞれに適した単位を使う必要があります。これと同じように五行学説もそれに相応しいものを測定するときには有用なモノサシとなりますが、そうでないときは陰陽論など、ちがうモノサシを当てはめるようになります。

 

ちょっと都合がよい感じがしますが、実際五行学説では説明できない病態などでは五行学説はおとなしくなりを潜めていてくれます。

中医学:整体観と五行学説

気血津液の概念に次いで東洋医学で大切な整体観と五行学説についてお話しします。

 

まず東洋医学の大きな特徴は自分自身をはじめとした全てを、自然や宇宙と一体の存在であるという捉え方をすることです。

 

この一体観がもたらす視点は2つあります。自分自身に起きていることが1つ目は環境や生活習慣など外的な要因に大きく影響を受けていること、2つ目は自分自身内側からも影響を受けているということです。

 

具体的に中医学のなかでこの視点を応用してみましょう。例えばある人が「イライラがひどい」といった時、職場が変わったばかりでストレスを感じている、春先で自律神経が乱れやすいなど、その人に影響を及ぼす環境要因を考えなければなりません。また、きちんと栄養がとれているのか、眠れているのかなど影響を与えそうな内的な要因にも目をむけなくはなりません。

 

症状が現れているところは必ず他の外的もしくは内的な要因に影響を受け、そしてまた影響を与えてもいます。

 

一個人は必ず全宇宙の一員でありその影響を受け、また一個人は全宇宙の構成要素でもあるため同じく影響を与えている、という考え方です。

 

学生時代始めて“原子の構造”を授業で習った時とても感動したことを覚えています。

中医学:気・血・水

大雨です。ジメジメはキライですが、雨に濡れるアジサイの花は美しくて好きですね。

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今日は漢方を勉強していなくても聞いたことがあるのではないでしょうか?気血水のお話です。

 

東洋医学は、「めぐり」をとても重要視する、という特徴があります。

 

西洋医学だと器質的な異常が中心になりますね。検査値もある物質が足りているか不足しているかの話ですよね。

 

それに対して東洋医学ではある物質の過不足はもちろん、その物質が十分に巡っているのかが治療をするうえで大切になります。

 

その巡る物質が気血水。中医学的には気血津液といいます。この気血津液がが量的に充足していて、さらに動的にもコントロールがきちんとできている状態が“健康”である、ということです。

 

この気血津液は全て「個々の細胞がそれぞれの機能を果たすために必要な環境を整える」ために存在しています。私たちのカラダを細胞が寄せ集まったチームとして捉えると、チームメイトの個性を大切にして最大限のパフォーマンスに導くコーチ軍が気血津液です。

 

この気血津液はそれぞれが互いの存在と役割を支え合い(陰陽の互根互用)、ときに一方が他方を生み出し(陰陽転化)、お互いが行き過ぎないようにコントロールしています(陰陽の対立制約)。

 

前回陰陽をパソコンに例えれば本体(陰)とソフトフェア(陽)とお話しましたが、この陰陽のモノサシを気血津液にあてはめると、私たちのカラダの物質的な側面が「血」と「津液」であり、陰に属し、機能的な側面が「気」で陽に属します。

 

この気血津液のそれぞれの特徴をお話します。

 

「気」とは感覚的になんとなくわかると思いますが目に見えない生命エネルギー、単純にいえば「元気」です。気はカラダを活発にしたり行き過ぎないように調整したりします。全身を巡り、津液や血の巡りをコントロールします。西洋医学のホルモンの働きなどは気の働きに属すると思います。

 

「血」とはカラダの燃料や材料となる物質です。西洋医学で言う血液の意味も含みますが、血液がもたらす役割まで含めて「血」と表現しているようです。カラダの各部位に栄養を届けます。体内のタンパク合成などの代謝系は血の働きと密接な関わりがあるように思います。

 

「津液」は体内における水です。カラダを潤し、関節などの動きをスムーズにします。津液は陰陽バランスを調整する役割があります。

 

この気血津液が全て充足し、よく巡っている状態が「健康」。どれか一つでも欠けていたり、逆に多すぎたり、滞ると何らかの病態となります。ですから患者さんを前にしたときこの3つ気血津液の状態にいつも気を配らなくてはいけません。

 

そしてこの3つは常にお互いの運行と生成に関わっています。そのため、何かが不足していると感じたとき、もしくは滞っていると感じたとき、その何かが直接原因として病態を作っているのか、それとも他の要素が関わって二次的に起こっているのか十分な観察が必要になります。

 

例えば血の不足を「血虚」を例にあげてみましょう。

 

血を作るためにはまず材料となる食材を体内に取り込まないといけません。この時胃腸に元気がない「気虚」が原因として二次的に血虚の症状が現れることがあります。このとき気虚を治療せず、直接血虚の薬を服用してしまうと、胃腸に負担がかかりより病状が悪化することがあります(血虚の治療薬は胃腸に重いことが多い)。こういったケースではまず胃腸のケアを優先する必要があるので、気虚の治療が先になります。

 

この気虚から二次的に血虚が現れる状態の代表方剤は帰脾湯です。単純には血不足の処方ですが、名前の通り、脾(胃腸)に戻りなさい、見直しなさいという意図で組み立てられています。生薬そのものはやはり血より気の不足を意識した配合です。

 

またある患者に血虚が見られたとき、それが局所的な症状が、それとも全身症状であるのかもとても重要です。例えば四肢に強い冷えがあり、冬季はしもやけで困っているような方。症状が四肢にしか出ていない場合では、単純な血不足ではなく体表まで血を届けることができていない巡りのトラブルを疑う必要があります。こういう症例に巡りに対するアプローチなしで血を量的に増やす薬で治療をすると、量が増えた分めぐりに負担がかかり症状を悪化させてしまうこともあります。

 

例えば、下流の田んぼに水が入っていないとき。そもそも水路がきちんと流れる状態か?落ち葉などで詰まっていないか?ここを解決せず、水を量的に増やすアプローチをしてしまうと、下流には水が相変わらず届かず、上流の田んぼは水で溢れる結果になってしまいます。これと同じです。

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しもやけといえば当帰四逆加呉茱萸生姜湯。この方剤は血虚に対する配慮はもちろん入っていますが、それに加えて巡りを改善する、外側に必要なものをきちんと届けることが意識された処方になっています。

 

 この気血津液は基本中の基本であり、少し捉えることが難しい概念です。いろんな症例に触るうちにすこしずつ自分の理解も深まると思います、根気よく勉強を続けましょう。

中医学:陰と陽

中医学基礎理論の陰と陽の概念。陰と陽というと東洋人なら多少親しみがある感覚だと思います。この陰と陽の考え、陰陽学説、陰陽論は中医学の大切な要素の1つです。学説というと堅苦しさが出ますが、1つの物の見方、モノサシのように捉えると親しみやすいと思います。中医学を学ぶ上で書くことができない概念ですのでここでイメージだけでもつかんで下さいね。

 

陰陽論ではなんでも2つに分けます。私たちの体、季節や時間、人の性格、もう何でも2つに分けるという考え方です。

 

これだけなら大抵の人はわかると思います。ここでは今一歩それらの陰と陽の関係の特徴を例を挙げてお話ししたいと思います。

 

今日お話しするのは

・陰陽対立

・陰陽の互根互用

・陰陽の消長平衡

・陰陽転化

・陰陽不可分

この辺を押さえたら陰陽の関係に関しては一通りのイメージつくと思います。

 

まず「陰陽対立」。陰と陽は互いに反対の性質を持ち、さらにお互いをコントロールする、ということです。薬剤師としてわかりやすい例を挙げると交感神経と副交感神経がこの陰と陽の関係をよく表していると思います。反対の性質を持ち、どちらかの力に偏りすぎないようにバランスを保っていますよね。

 

次に「陰陽の互根互用」。お互いの存在や機能が相方がいることによって成り立つ、ということです。例えばパソコンにこの陰陽のモノサシを使ってみると、陰はパソコンの本体、陽はソフトウェアと言えると思います。中身が空っぽのパソコンでは何もできませんし、ソフトウェアだけで物理的な本体がなくてもどうしようもないですよね。私たちも体という質量を持つ物質(陰)だけではなく、魂のような、それを動かす力(陽)という2つの要素が同時に存在し切り離しことができません。この、どちらか一方が存在するために他方もまた必要となる関係が陰陽の互根互用です。

 

さらに陰と陽は絶えず変化し、その役割が入れ替わりながらバランスを保っています。例えば暑い夏と寒い冬。暖かい、動的なものが陽に属するので夏が陽、冷たい、静的なものが陰に属するので冬が陰と捉えます。夏真っ盛りには陽の力が強く、冬本番には陰の力が強くなりますが、一年通してみれば絶えず変化し、バランスがとれていますよね。これを「陰陽の消長平衡」と言います。よくこんな図を見たことがあるのではないかと思います。

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これはこの陰陽消長をとてもよく表しています。この図、不思議な魅力がありますよね。

 

夏真っ盛り、という表現を使いながら思いましたが冬真っ盛り、という表現はしないですよね。真っ盛りのような上にあがる、外に広がるイメージは陽です。逆に冬の下にうずくまる、縮こまるような印象は陰です。

 

あと、「陰陽転化」。「陽が極まると陰になり、陰が極まると陽になる」。夏至を過ぎたら寒くなる、流行があればその後廃れたりもする、とかそんなお話です。

 

でも正直、この例だと陰陽消長との区別があまりピンと来ないですよね。

 

いい例かわからないですが、例えば薬局でいると思うんですが正確さにこだわり過ぎて周りから見るとやっかいに思える人とか、陰陽転化ではないでしょうか。細かいことにこだわるって基本的には正しく、大切なんですが、それが極まり過ぎると空気読めない、律速になる、みたいな。逆に、振り切れたYoutuberみたいな人たちは空気読めない、輪を乱すようなところがあっても、でもなんか私たちの本音を映し出してくれていていいよね、みたいな感覚も陰陽転化かもしれません。

 

好きすぎて嫌い、は陰陽転化ですね、ちょっと病んでる感じになりますが。私にとって身近な薬の話に例えると、一昔前、バブルの頃は薬飲んで治すって当たり前だったと思うんです。それが色々公害だとか添加物の悪い側面がクローズアップされて今は“自然派”みたいなのが良い、とされる風潮が強くなっていると思います。これ陰陽転化かな、と。流行り廃りがあって、ある一方向やりすぎたら別の方向の流れがぐわっ来て、それが当然みないになる。今の自然派は中身がある自然派と、自然派といえばいいみたいなものが混沌としているからまた逆風がいつか来るんじゃないかなと思ってしまいます。

 

良し悪しではなく、陰と陽の2つの側面の間だで人の考えって揺らぐんだと思います。

 

最後にお伝えするのは『陰陽不可分」もしくは「陰陽無限可分性」です。説明する前から陰陽は分けられない、という説と無限に分けられるという説が一緒に扱われているところがまさに陰陽ですね。

 

例えば一般的に男性は陽、女性は陰と言われます。でも女性でも男性的な女性(陰中の陽)、女性的な女性(陰中の陰)もいます。また、女性である私自身にも、女性的な側面(陰中の陰)、男性的な側面(陰中の陽)があります。また、背中、上半身、皮膚(外側)などは陽に属するので、私の中のこれらのパーツは陰中の陽です。そして、私の背中の上部は陰中の陽中の陽で背中の下は陰中の陽中の陰になります。

 

このように陰と陽はあくまで対比。相対的な関係なので分けようと思えばいくらでも分けれるし、同一とみなせばそれもまた理となります。これが「陰陽不可分」であり「陰陽無限可分性」です。

 

陰陽なんて知ってるよ!と思っても二面性というだけで結構奥が深いんです。これが中医学のモノサシの1つ陰陽論です。思ったより身近だと感じていただけたら幸いです。

 

これ書いてて楽しかった、あと今日も勉強になった。

中医学について

こんにちは、漢方薬剤師ゆりです。

 

梅雨の晴れ間か本日はいいお天気!今千葉と東京を行ったり来たりの生活をしています。今は千葉から東京に向かう朝のバスの中。だんだん高いビルが見えてきました。張り切って今日も仕事に参りたいと思います。

 

まず最初に、私が学んでいる漢方、中医学の世界について。

 

私が勉強している“中医学”は名前から察しがつくかと思いますが中国の伝統医学です。中国は広大な敷地面積、多種多様な民族が暮らしているので、その伝統医学も多岐にわたるのですが、一応中華人民共和国成立を機に統一理論として中医学は確立したようです。中国では専門大学でしか学ぶことは出来ず、中医学を修めた中医師といえば医師と同じレベルの資格として扱われます。

 

中医学は基本は漢民族の伝統をまとめたもののようですね。そのため日本では漢方と呼ぶのかなと思います。

 

中医学の西洋医学と対比した特徴をいくつかお話します。

 

まず第一に全身を診て治療を行います。例えば肩こりのような局所的な訴えをされている患者さんに対しても睡眠や胃腸の状態、足の冷えだとかのぼせなど、全身の状態を聞いて診断をします。この中医学独特の診断を「証」と言います。面白いところは同じ主訴であっても診断は多岐にわたるところ。同じく肩こりを例に挙げると、温める力が足りないのではないか?血液の流れが悪いのではないか?流れる血液の量が足りていないのではないか?余計な気が上り過ぎて渋滞しているのではないか?などと考えて行きます。

 

逆に主訴が違っても同じ診断がつくこともあります。数学の授業で勉強した“集合”みたいな感じですね。症状Aと、症状Bと、症状Cがある…重なりが濃いところ、それら全ての症状が起き得るものが診断になります。

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次に中医学の特徴としてあげたいものはやはり患者の自然治癒力を高める、ということを大切にしていることですね。漢方薬自体が天然由来の成分のみで構成されるというのもそのためです。でもそれより大切なことは本来なら漢方の世界ではお薬3に対して養生7、と言われるくらい養生、つまり生活習慣の改善を重視します。薬剤師としてはお薬売りっぱなしで終わらないよう充分注意しないといけないところ。自然治癒力を高めることを重視しているのでやはり効果の実感が遅い、弱いなど切れ味の悪さは西洋医学に比べると出るかもしれません。

 

あと、診断方法の違い。これも大きいですね。基本中医学ではレントゲンや採血などの検査は行いません。中医学では四診と言いますが、診断方法は主に4つ;望診、聞診、問診、切診です。望診は顔色、体の動かし方など見て診断の情報を集めること。特徴的なのは舌診という舌べろを見るものも含めます。聞診は声の張り、高さや呼吸の音など、音から状態を調べること。次に問診。これはそのままですね。最後の切診。これも中医学独特ですが手首の脈から状態を調べることです。脈診ともいいますが、これはかなり熟練した腕が必要になります。

 

診断法はとても患者の体に対して侵略度が低いのでとても安全で負担も少ないですがその分、問診に重きを置きがちになってしまいます。問診はどうしても患者の主観によってしまうところがあるので注意が必要です。

 

以前脈診のスペシャリストにお会いしたことがあります。問診ほぼなしでかなり細部の体調を言い当てられ私の生活見てたの!?くらいびっくりしました。また眼診という、目をみて診断をするという方もいました。もうこのレベルは占いのようです。

 

あと、もちろん患者さんが検査データを持ってきて下さったときは大いに参考にしてます。最近は中医理論と西洋医学の理論の結びつけもかなりされてますので。

 

中医学の特徴として、代表的なところはこの辺でしょうか。

 

中医学対して“和漢”、日本漢方と言われる流派も存在します(流派というのが正確か自信がないのですが…)。和漢も中医学ともとは同じ、中国の伝統医学をベースにしたものなので共通点も多いのですが、中国から輸入後鎖国などの影響から日本独自で発達した側面を持ちます。重視する理論、診断法や使用する生薬など異なる点が意外と多いので注意が必要です。患者さんにとっては効き目があれば同じですが、初学者はどちらか一方を系統立てて学んだ上で肉付けとして他方を取り入れたほうが混乱しにくいと思います。用語など同じものを違う意味で使ったりすることがあるので。

 

少しわかりにくいところもあったかもしれません、徐々に詳しいお話をさせていただきますね。

初めまして、漢方薬剤師のゆりです

初めまして、漢方薬剤師のゆりです。

 

最初に自己紹介。

 

漢方薬剤師として日が浅いですが、少しずつ私の学習ノートとしてこのブログに覚書をしていこうと思います。

 

私が薬剤師を志したのは小学5年。母の何気ない、「じゃ、薬剤師になったらいいんじゃないの?」という一言から、薬剤師という職業を知りました。

 

当時私はお菓子作りにどハマり。毎週末何がしかのお菓子を作っていました。同じような材料、小麦粉、砂糖、卵、バター作るのに配合が違うだけで驚くほど出来上がったものが違う。この1+1が2にならない感覚がたまらなくて本に書いてあるレシピは次から次へと試して作ってました。

 

小学校の卒業アルバムに書いた夢はそのまま薬剤師。当時の夢を叶えたことは自分の中で大きな自慢であり自信です。

 

10年以上たち、形としては小学生自体の夢を叶えたものの、最初の勤務は大忙しの総合病院。何かを考える暇もなく時間は過ぎて行きました。

 

その後調剤薬局に数年勤務しましたが、仕事にはずっと身が入らず、いつでも転職してやろうと、いつも薬剤師の仕事以外のことに目を向けていました。

 

正直、がっかりしていたんです。薬剤師の仕事ってこんなものなのかな、と思ってたんです。医師からの処方通りにするばかりで発展性もなく、患者の訴えを聞いても内心治る自身もないのに「お薬ちゃんと飲んでください」と言うしか他にない。そもそもいえば、そんなにがむしゃらに取り組んでもいなかったのに、生意気ばかり言う中身のない時代でした。

 

でも、生活は安定するし仕事とはそんなもんかなと思ってました。

 

その後なんとなくのきっかけで漢方の薬局勤務に転職。それが運命の分かれ道でした。転職時の最初の面接で「あなたはきっといい治療家になると思う」と言われ胸が熱くなりました。そう、私は薬剤師とかではなく治療をしたいんだ!

 

その後もすんなり行かないことも多くじたばたする日々ですが少しずつ、本当に少しずつ自分の心に背かない仕事ができるようになりました。

 

1+1が2以上になるように、期待以上のことができるように。自分のする仕事が、偶然頼って来てくださったお客様と、共に戦う仲間と、そして自分自身を幸せにするものであることを目指して。

 

そんな仕事ができる薬剤師であろうとここに記録を残そうと思います。